2026.09.02 設計判断 3分で読めます
「便利そう」で5本目を作りかけて、途中でやめました
頼まれた通りに作れば、たぶんまた使われないアプリが1本増えるだけでした。作る前に前提を疑った話です。
自分用のメールアプリを作ろうとしていました。副業用のアドレスをまとめて、見やすい画面で処理するやつです。
作りませんでした。作る前に、前提が間違っていることに気づいたからです。
気づいたきっかけは、自分のメモでした
僕はAIに読ませる前提で自分用のメモを溜めています。作業を始める前に必ずそれを読む、というルールにしています。
そのとき読み返して、3つ出てきました。
- まとめようとしていたアドレスは、サービス登録と請求の通知を受けるためのIDでした。人とやり取りするための箱ではありません
- 実際にやり取りする用のアドレスは、まだ1つも作っていません。事業のテーマが決まってから作る計画でした
- すでにメールアプリを1本作って、2ヶ月以上使っていません
つまり、複数アカウントを見やすくまとめるアプリを作ろうとしているのに、管理する対象が1つしかなく、しかもメールがほとんど届いていない状態でした。
同じ作り方で5本目を作れば、同じ結末になります。
Gmailに勝てないものを作ろうとしていた
一番効いたのはこの整理でした。
UIの綺麗さでGmailに勝つ意味はありません。 向こうは何百人がかりで磨いています。個人が勝てるとしたら、Gmailが持っていないものだけです。
Gmailが持っていないのは何か。文脈です。
「この請求は何のサービスで、どの事業の準備に紐づいていて、次に何をすればいいのか」——Gmailはそれを知りません。僕は知っています。
そこで主語を変えました。「メール」から「事業」へ。
作ったのは、メールアプリではありませんでした
出来上がったのは、副業まわりの判断材料を1画面に集めるものです。メールはその中の1セクションに落ちました。
主役が入れ替わっただけに見えますが、これで「開く理由」が変わりました。メールを読むために開くのではなく、次に何をするか決めるために開く。届いたメールはその材料のひとつです。
前提を疑うのは、作り始める前しかできません
コードを1行も書いていない段階だったから、方向を変えるコストがゼロでした。
3日書いたあとだったら、たぶん変えていません。作ったものが惜しくなって、「せっかくだから完成させよう」と思ったはずです。そして完成させて、使わなかった。
作る前に自分に聞くことを1つ増やしました。
それ、僕が今困っていることですか?
「便利そう」はここに入りません。困っていないものを便利にしても、開く理由が生まれないからです。